2014/01/21

インドネシアを牽引する若手起業家たち - Part 2


前回に引き続き、インドネシアで活躍している起業家にフォーカスします。

継続的に情報をフォロー出来るよう、各起業家のTwitterアカウントがあれば併記していますのでチェックしてみてください。(インドネシア語のみの方もいますが・・)
※本ブログもTwitter上で、海外メディアニュース情報を日本語で発信をしています⇒ @asean_tech



Ferry Unardi, Derianto Kusuma & Albert Zhang
 Traveloka創業者

(Credit: e27
Traveloka(トラベロッカ)はインドネシア初にして最大の航空券検索・予約サービス。
2012年の半ばに設立されたTravelokaは、同年の11月にEast Venturesより非公開額の出資を受け、2013年の8月にはRocket Internetの投資部門であるGlobal Founders Capital (GFC)の初のアジア出資を受けている。
創業チームのFerryとDerianto、そしてAlbertは皆アメリカの一流大学で留学し、シリコンバレーの有名企業で勤めていた超エリートエンジニア集団。
CEOであるFerryはアメリカのパデュー大学卒業後、マイクロソフトに入社。エンジニアとして数年間働いた後、ハーバードビジネススクール(HBS)へ入学。HBSにたった1学期在籍した後、Travelokaチームにジョインすることになりジャカルタへ戻った。
Deriantoはスタンフォード出身。Ferryとは同じマイクロソフトの学生インターンとして出会っていた。大学卒業後はマイクロソフトで1年間働いた後、IPO直前であったLinkedInにジョインしていた。FerryとDeriantoはアメリカで得た経験を活かし、母国インドネシアに帰ってどんな大きなことを興すか、ということばかり考えていたという。
AlbertはFerryのパデュー大学時代のクラスメイト。卒業後はOracle傘下のクラウドERPサービスを提供するNetsuiteで3年半働いていた。
Travelokaは順調に成長し、2013年9月時点で一日に最大20万回利用される、インドネシア最大の航空券検索サービスになっている。





Aria Rajasa Masna
GantiBaju、Tees.co.id共同創業者

(Credit: Indonesia Kreatif
Aria Rajasaは、Tシャツ関連のスタートアップを2社起業している連続起業家。
Gantibajuはサイト上でTシャツデザインのコンペティションを行い、人気の高いものを実際に販売するECサイト。作品が選ばれたデザイナーは賞金と、Tシャツの売上に応じて報酬を受け取れる。アメリカ発で世界中で人気を博しているThreadlessと同じモデルである。
Tees.co.idは、デザイナーがデザイン作品をアップロードするだけで、自分だけのオンラインストアが創ることが出来るサービス。1枚あたりのコストは約$9で、利幅はデザイナーが自由に設定出来る。注文が入ればTees.co.idがオンデマンドで生産し、発送してくれる。

Ariaは国内トップのインドネシア大学を卒業し、2010年にGantibajuを創業した。Gantibajuは若者を中心に大きな人気を得たが、AriaはTシャツ生産のスピードの遅さと、より生産コストを下げるために一度にまとまった枚数を発注しなければならないことに問題意識を感じていた。そんな時にある印刷会社から、オンデマンド印刷のテクノロジーをGantibajuへ取り入れないかとのオファーがあった。その印刷業者が持つ技術と、Gantibajuで培ったファッション業界での経験を掛け合わせ、新しく立ち上げられたのがTees.co.idである。リリースしてから1年足らずで、約4000のストアが立ち上げられ、1万デザイン以上がアップロードされている。





Satya Witoelar
Koprol共同創業者

(Credit: Sidomi News
Satya氏はインドネシア版Foursquare、Koprolを立ち上げたファウンダーの1人。
Koprolは3人のファウンダートリオ。そのうちの2人はソフトウェア開発会社を5年間にわたり経営していたが、良いプロダクトを作っても自分たちのものにはならないクライアントワークに疲弊していた。そんな頃にモバイルアプリケーションに精通していたSatyaと出会い、SNSの要素を取り入れたモバイルアプリに機会を見いだし、2008年にKoprolの開発が始まった。「インドネシア版のFoursquare」とはいうものの、実は本家Foursquareよりもリリースは2ヶ月早かった。
Koprolはリリースから1年3ヶ月後の2010年5月にYahoo!に非公開額で売却された。当時インドネシアのITスタートアップがExitするのは異例で、最大の成功ストーリーだった。「インドネシア人の起業家は、出資を受ける事を全く期待していなかった、売却なんてもってのほかだった!」とファウンダー自ら語っていたほどだ。
Yahoo!への売却後、Koprolはユーザーが20倍となり、一時は150万ユーザーに達した(うち90%がジャカルタのユーザーであった)。2012年にYahoo! Koprolは閉鎖が決定されたが、ユーザーからの要望もあり、名称、ドメイン、その他すべての知的財産権が創業者の3人へ返還された。

Satya氏はインドネシア・バンドンにあるParahyangan Universityの建築学部を卒業し、インターネット業界に入る前は建築士として働いていたことがある。
現在Satya氏は、East Venturesのメンターの1人でもある。



Sugiono Wiyono Sugialam
PT. Trikomsel Oke, Tbk創業者・CEO、IdeoSource共同創業者・会長

(Credit: Marketeers
最後に、「若手」起業家ではないが、すでに大成功を収めているベテラン起業家であり、インドネシアのスタートアップシーンにおいて重要な人物を紹介したい。
Sugiono氏は1996年に設立された、携帯電話販売店OkeShopをインドネシア全国で800以上展開する、PT. Trikomsel Oke, Tbkの創業者。SIMフリー端末が主流であるインドネシアにおいて、携帯電話販売網を抑えているSugiono氏は、インドネシアの孫正義的な存在だ。1962年生まれ。モバイルSNSのmig33、日本のスカパー!のようなAora TVの主要株主でもある。
2011年にはインドネシア発のインキュベーター、Ideosourceを立ち上げ、会長を務めている。前回紹介したTouchTenもIdeosourceのポートフォリオのひとつ。



参考


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