2014/01/18

インドネシアを牽引する若手起業家たち - Part 1



孫正義氏、藤田晋氏、三木谷浩史氏、堀江貴文氏etc...日本のIT業界で成功したロールモデルや著名人はパッと思いつきますが、インドネシアではどうでしょうか?
今回は、インドネシアのスタートアップ業界を掴む上で、抑えておくべき起業家たちを調べてみました。
継続的に情報をフォロー出来るよう、各起業家のTwitterアカウントを併記していますのでチェックしてみてください。
※本ブログもTwitter上で、海外メディアニュース情報を日本語で発信をしていますので是非!⇒ @asean_tech


Andrew Darwis
Kaskus創業者・最高技術責任者(CTO)


登録ユーザー数400万以上・毎月2800-2900万のユニークビジターを有する、インドネシア最大のコミュニティ/ECサイトのKaskus創業者であり最高技術責任者(CTO)。
1999年冬、当時シアトル大学に留学していたAndrewと2人の友人で、英語のニュースをインドネシア語に翻訳するニュースポータルサイトとしてKaskusは始まった。"Kaskus"という名前はインドネシア語で「ひそひそ話」という意味の「Kasak-kusuk」に由来。
その後ニュースポータルモデルから転換し、日本の2ちゃんねるのような掲示板サイトとなった。ゲームやポルノコンテンツの掲示板が人気を生み、ユーザーが増え始める。2002年に卒業しても、Andrewはすぐに起業することはせず、web制作会社で働き始め、業務の傍らKaskusを運営していた。
2008年、本腰を入れる事を決め、従兄弟のKen Dean Lawadinata(インドネシア最年少の社長)をCEOとして招き入れ、自身はCTOとしてジャカルタへ戻り、インドネシアで法人化をする。その後は非常に早いペースで成長をし、2011年には、インドネシア最大の銀行BCAとのコネクションを持つGDP Venturesからの戦略的な出資を受け金融機関とのパートナーシップを得た。
現在は、「インドネシアのeBayとPaypal」を創りだすべくEコマース、オンライン決済サービスへ乗り出した。Kaskusのプラットフォーム上でECサイトを新たにリリースし、さらに、決済サービスのKaspayを発表している。
現在のKaskusはIndonesia Alexa Rankingランキング7位、インドネシアのインターネットユーザーで知らない人はいないほどのサービスとなり、政治から恋愛まで様々なトピックが議論され、2012年時点で月間6000万ドルもの流通額を誇るCtoCコマースサイトとなっている。

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Anton Soeharyo
TouchTen創業者・CEO



TouchTenはインドネシアを代表するスマートフォン向けゲームのデベロッパーだ。
Google会長のEric Schmidも言及したHachikoや、Ramen Chainなど世界中でヒットするアプリを数々生み出している。
Anton氏は中学高校時代をシンガポールで過ごし、早稲田大学で国際関係学を修士まで学んでいた事もあり、日本語もとても堪能。その他に英語、中国語、インドネシア語を使いこなすという。早稲田の先輩として是非会ってみたい。
2011年にインドネシアのインキュベーターIdeosourceから、2013年にCyberAgent Venturesより受け、引き続きスマホゲームの開発を進めると共に、スマホゲームのプラットフォームを創りだそうとしているようだ。

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Jason Lamuda
Disdus.com(Grouponが買収)創業者、現マネージングディレクター・Berrybenka現CEO


インドネシア版グルーポンだったDisdusの創業者。その後Disdusを本家グルーポンへ売却し、現在はBerrybenkaという女性向けファッションコマースのCEOを務めている。
Jasonはアメリカのパデュー大学で化学工学を学び、コロンビア大学大学院で金融のマスターを取得。その後ジャカルタへ戻り、McKinsey&Company2年間勤務した後、Disdus.comを創業した。
East Venturesから出資を受け、2010年8月にGrouponクローンサービスのDisdusをリリース。その後すぐに成長し、150-200の事業者と提携し、15万ユーザーを持つレベルになった。2011年4月にGrouponへ売却。
2011年8月にJason氏の妻であるClaudia Widjajaとその友人のYenti Elizabethが立ち上げたBerrybenkaに関与するようになり、CEOとなった。
Berrybenkaに出品させるブランドは質の高いもののみに絞り、ファッションバザーやFacebook上などで出品している小売業者を探しまわったという。2013年9月時点で、400のブランドを扱い、1日に400から500の注文があるようだ。
Berrybenkaは、2012年に最初の資金調達をEast Venturesから、2013年1月に非公開額をGREE Ventuers、12月に500万ドルをトランスコスモスから次々と資金調達しており、今後の展開が非常に期待できるサービス。



Rama Mamuaya
DailySocial創業者・CEO



インドネシア初のテクノロジー関連ニュースを扱うWebメディア、DailySocialの創業者・CEO。
2008年後半に、Ramaの趣味として始まったブログが前身となっている。当初はインドネシアバハサ語のみでの発信だったが、現在は英語での記事も多く出ており、個人的にもかなり勉強させてもらっているサイト。
Merah Putih Inc (インドネシア)、Optimatic Pte. Ltd. (シンガポール)、そして日本のB Dash Venturesより出資を受けている。現在ではインドネシアNo.1のテックメディアであり、SparxUp Awardという国内最大級のITスタートアップのためのイベントも開催している。

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William Tanuwijaya
Tokopedia創業者・CEO


インドネシア最大級のECサイトTokopediaの創業者・CEO。
2003年に大学を卒業したWilliamは、コンピューターゲーム制作会社、Web制作会社など様々なIT企業で働いた。しかし、どれも彼の関心を強く引くものはなかったという。そんな中、William氏が大きな可能性を感じたのがオンラインコマースの概念だった。当時のインドネシアでは主に掲示板サイトがオンラインで商品を売買する場となっており、今のECサイトに相当する仕組みはまだ無かった。決済システムがなかったため、詐欺も横行していた。海外ではどういう状況になっているのかをリサーチした結果、すでに多くの国でEコマースというモデルが成功し始めており、それをインドネシアで始める事にしたのだ。

インドネシアではITの分野でM&AやIPOした事例がなく、インドネシアの投資家は消極的で資金調達は非常に難航したという。
結果、Tokopediaは既にECの成功を経た日本の投資家たちから主に支援を受けている。
これまでに2010年に日本のEast Ventures、2011年にCyberAgent Venturesから、2012年にネットプライス(現Beenos)、2013年にSoftbank Ventuers Koreaからそれぞれ出資を受けた。

インドネシアではクレジットカードが普及しておらず、当時の金融機関もオンラインでの決済に対応していなかった。そこで、ユーザーがTokopediaで商品を購入した際には、Tokopediaの銀行口座に振込をし、商品の配送が確認できた後に、Tokopediaから出品者に支払いをするようなシステムを適用している。

Tokopediaの1か月当たりのサイト訪問者数は300万件で、2012年だけで1340万点の商品が取引されている模様で、2013年11月時点での評価額は2000万ドル[参考]だという。

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Batara Eto(衛藤バタラ氏)
mixi共同創業者・元CTO、現East Venturesマネージングパートナー

(Credit: エンジニアtype

インドネシア・スマトラ島出身。1999年留学のため来日。拓殖大学在学中にプログラミングスキルを活かせるバイト先として出会った会社が、当時求人情報サイトFind Job!を運営していたイー・マーキュリー(現・mixi)であった。
当時の社長であった笠原健治氏、片山正業氏と共に日本初のソーシャルネットワーキングサイトの構想を行い、初期のシステム開発、サーバーの設置も1人で行うなど、「mixiの生みの親」とも言える人物。
現在は、ベンチャーキャピタルEast Venturesのマネージング・パートナーとして、日本・アジアのITスタートアップ投資に注力されている。
母国語であるインドネシア語、英語、日本語そしてPerlなどに堪能であり、インドネシア人(現在は日本国籍取得)として初めてIT企業を株式上場まで導いた人物として、インドネシアのIT業界では知らない人はいないお方でもある。

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参考


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