2014/10/22

孫正義らから約100億円規模の資金を調達したTokopediaの創業者William氏とは?



本日ソフトバンク・セコイアキャピタルから1億USドルの資金調達を発表した、インドネシア最大級のECサイトTokopedia(トコペディア)。
その創業者/CEOであるWilliam Tanuwijaya氏はどういった人物なのだろうか。



2003年にインドネシアで技術系トップクラスのBinus Universityを卒業したWilliamは、コンピューターゲーム制作会社、Web制作会社など様々なIT企業で働いた。
しかし、どれも彼の関心を強く引くものはなかったという。そんな中、William氏が大きな可能性を感じたのが、Eコマースの概念だった。当時のインドネシアでは主に掲示板サイトが商品をオンラインで売買する場となっており、今のECサイトに相当する仕組みはまだ無かった。決済システムもなかったため、詐欺も横行していた。海外ではどういう状況になっているのかをリサーチした結果、すでに多くの国でEコマースというビジネスが成功し始めていることが分かり、それをインドネシアでも始めてみる事にしたのだ。

インドネシアではITの分野でM&AやIPOした事例がなく、インドネシアの投資家は消極的で資金調達は非常に難航したという。
結果、最初に資金を投入したのは既にEC産業が成熟しつつある日本の投資家だった。
2010年にインドネシア出身でmixi共同創業者の衛藤バタラ氏、元ネットエイジの松山太河氏が代表を務めるEast Venturesから創業出資を受け、2011年にCyberAgent Venturesが追加で出資し、鈴木隆宏氏が現地で駐在しながらハンズオン支援を続けていた。
さらに2012年にはネットプライス(現Beenos)、2013年にSoftbank Ventures Koreaから出資を受けている。
2012年だけで1340万点の商品が取引され、2013年11月時点での評価額は2000万ドル以上になっており順調に成長していた。

Tokopediaを立ち上げて1年目のWilliamと、共同創業者のLeon(Tech in Asiaより

Williamは、創業時からAlibaba創業者のジャック・マーをロールモデルとして尊敬しており、「インドネシアのジャック・マーになるんだ」と話していたという。
良くジャックマーのスピーチをあさったり、タオバオの成功までの軌跡を調べ尽くしていたという。事実、タオバオが初期に行っていた戦略である売り手の完全無料キャンペーンや、エスクロー決済もアリババを真似てTokopediaは取り入れている。
2013年にTech in Asiaが行ったインタビューの中では以下のように語っている。

We learned from Jack Ma that small is beautiful and we also believe in the power of individuals and small medium enterprises (SMEs) in Indonesia. We learned that Taobao really focuses on solving problems – which are trust and efficiency in the Chinese market. When we started our company, the e-commerce ecosystem was non-existent [in Indonesia], and we thought if no one starts to build a proper e-commerce ecosystem, then it will never improve.
ジャックマーから学んだ事は、「スモールである事の美しさ」。同時に僕らはインドネシアの人々と中小事業者のパワーを信じている。タオバオは中国の市場における課題であった信頼と効率性にフォーカスして解決に取り組んでいた。僕らがTokopediaを始めたとき、この国にはECのエコシステムなんてものは存在しなかった。もし誰も始めなければ、この国のEコマース環境はいつまで経っても改善されないと思ったんだ。

▶William Tanuwijaya氏のTwitterはこちら


参考


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